心理学の本を読んで考えたこと
書く書くと言って全然書いてないですね。
マンガでわかる人間関係の心理学 (池田書店のマンガでわかるシリーズ)
- 作者: 渋谷昌三,みずなともみ,サイドランチ
- 出版社/メーカー: 池田書店
- 発売日: 2015/06/19
- メディア: 単行本
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本屋で最初の漫画部分だけ立ち読みしたところ、興味を惹かれたので買ってみた。
自分は自己肯定感も自己評価も低く、ネガティブで過去の失敗ばかりを思い出して鬱々とすることも多いし、何より他人からどう見えているのかということばかり気にして行動してしまう。そして正直こんな自分の性格があまり好きではない。
この本は、そういうネガティブな感情のやり過ごし方や具体的な解決方法を教えてくれる本ではない(むしろ、「〇〇な性格の人は××という心理や考え方に基づいて行動・発言ことが多いから、△△な態度で臨むと理解しやすいし円滑なコミュニケーションがとれるよ」というスタンスの本で、自己のモヤモヤを解消するというよりは人間関係のモヤモヤを解決する、という感じ。まあ今考えるとそういうタイトルなんだけど……)
心理学関係の本を読むのは初めてだったんだけど、僕が思うに、心理学とは「解決策を与える」ものではなく、「説明困難な事象に対し、理解可能な論拠を見出す」学問なんじゃないかと、この本を読んで思った。
人は得体のしれないもの、自分では説明できないものに恐れを抱く(オバケとか)。心理学というのは、相手が何を考えているか、とか、自分はなんでこんな性格なんだ、という、ともすればぼんやりしてはっきりした定義が与えにくいモヤモヤとした悩みに、無理やりながらも説明を与えてくれる。この本を読んだあとなんとなくスッキリした気持ちになったのは、そういう「一応の説明し得る解答」みたいなものが与えられたからかもしれない。
この本の中にも、「心理学があれば、人間関係の悩みはなくなるのでしょうか? 残念ながら、そうではありません」(46頁)とある。人の悩みは時間の経過とともに変わっていくし、その悩みに対する完璧な解決策を提示してくれるわけでもないから悩みなんてなくならない。でも、悩んだときに自分を納得させるだけの一応の説明を呈示してくれるのが、少なくとも自分にとっての心理学というものなのかもしれないなあ、と、この本を読みながら思った。
少なくとも、こんな変なことで悩んでいるのが自分だけじゃないんだな~と思えて少し安心した。
ちなみに、冒頭で、この本は自分の性格に対するモヤモヤに解決策を提示するものではないと書いたけど、巻末の漫画のセリフ(202~203頁)に、一応の解決策みたいなものは掲載されている。
「たとえば職場の中で悩んだとしても家族や恋人の準拠集団が良好な関係であればそこでバランスをとることができる」「集団の数が多いほど悩みは出るかもしれないけれど 同時に気分転換の場所が増えるんだ」「色々な場所で色々な人と関係を築くことは健康的な気持ちを保つのにとても重要なんだ」
まあ、色々なコミュニティに最低1人は、自分の悩みをありのままに話せる人がいればいいし、逆に言えば、同一コミュニティ内で躍起になってたくさんの理解者を得ようとする必要もないし、浅い人間関係を広く持つ必要もない。そう考えるとなんとなく楽になれるなと思った夜でした。
なんとなく今年はいい年になりそうだな。